2階が旅館、2倍お得な絶品ファンテヘジャンクッの店
アンニョンハセヨ、ナビです。高速バスターミナルのすぐ裏、歩いて30秒という最高の立地条件を持つ食堂をみつけました。ファンテと呼ばれる干ダラのスープと魚のチゲがおすすめの店。しかも嬉しいことにこの店の2階は旅館なのです。旅館に泊まって朝食に利用するもよし。夕食を食べてそのまま泊まってゆくもよし。旅行者には嬉しいダブルのサービスです。
朝食にはファンテヘジャンクッを!
この店の最初のおすすめメニューはファンテヘジャンクッ。ファンテとはスケトウダラを干したものです。言ってしまえば干ダラなのですが、これがただの干ダラと思ったら大間違い。手間と時間を惜しまず、大自然の力によって作り上げられる芸術的な干物です。冬の寒い季節に、野外で天日と寒風にさらされながらじっくりと干されます。夜は氷点下でガチガチに凍り、昼は太陽の熱によって柔らかく溶ける。冷凍と解凍を何度も繰り返し、活性化させた旨みをしっかりと体内に閉じ込めたのがこのファンテです。
このファンテから染み出る旨みはまさに絶品。ファンテでダシをとった香ばしいスープがファンテヘジャンクッです。具にはファンテのほかに豆腐、大根、セリ、長ネギ、干しシイタケ。唐辛子を入れず塩でさっぱりと味付けているので、朝食にはもってこいのメニューです。
夕食にはセンソンチゲを!
もうひとつのおすすめメニューはセンソンチゲ。センソンとは韓国語で魚のこと。魚を入れたスープ料理のことをセンソンチゲと呼びます。この店で用いられるのはアンコウとカレイ。両方とも高級魚ですが、惜しげもなくたっぷりと使うのが自慢です。ちなみにこのセンソンチゲがプガン食堂のナンバーワン人気メニュー。夜にはこのセンソンチゲを肴に一杯やる人たちで賑わいます。
このセンソンチゲはイワシとエビでダシをとります。そこにアンコウとカレイが加わるのですから、スープの味は重層的な深みを持つことに。唐辛子をたっぷり入れて辛く仕上げたスープが食欲をそそります。
パンチャンがずらりと並びますメインメニューの味もさることながら、この店は一緒に出てくるおかず(パンチャン)がすごい。これだけでも充分満足してしまいそうな充実具合です。
「ウチはね。お客さんのためを思ってたっぷり出しているのよ。」
と店のおばちゃんが笑います。確かにテーブルの上には並べられたおかずがずらり。しかもそのひとつひとつがとてもおいしいんです。
「うちの店はごはんのおかわりもサービスだからね。」
嬉しい心遣いですよね。韓国ではお膳の足が折れるほどたくさんの料理を出すのが、もてなしの心だといいます。この店の本当のウリは味ではなく、お客さまのことを思う心なのかもしれません。
注意:写真のおかずは夕食向けです。朝食の場合はおかずの量がやや少なくなります。
常連さんが語る
この店に3年間通っているという常連さんにインタビューをしてみました。
「この店にはよくいらっしゃるんですか?」
「職場が近くだからね。夜は毎日ここだよ。」
「毎日ですか。」
「うん。昨日は同僚と来てコッチャンチョンゴル(ホルモン鍋)で一杯やったんだ。」
「なるほど。今日召し上がっているのはなんですか?」
「今日はひとりだからセンソンチゲにしたよ。」
「味のほうはいかがですか?」
「なかなかだよ。実はこの店ね。最近けっこうウワサになっているんだ。」
仕事の後に焼酎を飲みながらセンソンチゲをつつく。1日の疲れがすーっと飛んでいく瞬間です。コッチャンチョンゴルもこの店の人気メニュー。大勢でワイワイ飲むときにはこちらのほうが合うかもしれません。
その隣で飲んでいたグループはソウルから出張で来た方たちでした。近所の旅館に泊まっているそうですが、その旅館で紹介を受けてきたとのこと。なるほど。地元でも有名なお店なんですね。
「この店はいかがですか?」
「うん、この程度おかずがたくさん出たら他の人に紹介してもいいくらいだね。おかずの量が多くて味もいいよ。」
焼酎を飲みながらモリモリ食べていました。その食べる勢いがどんな褒め言葉よりも、この店の評価を物語っています。
2階は旅館となっています
プガン食堂の上は旅館になっています。旅館の名前は美度荘旅館(ミドヂャンヨグァン)。1泊25000ウォン、土・日、祝日は30000ウォンになります。
高速バスターミナルのすぐ裏というアクセスのよさを活かし、到着してすぐ、または出発前の腹ごしらえにもぜひ寄ってみてください。朝6時30分開店、夜11 時閉店という長い営業時間も魅力のひとつ。またたいていの食堂が休みになる秋夕、旧正月も午後から営業を始めます。お客さまのためを思う、その気持ちが充分すぎるほどに伝わってくるお店でした。ぜひ1度足を運んでみてください。以上、ナビでした。