ムルコンシクタン

물꽁식당

閉店・移転、情報の修正などの報告

40年の伝統「アグチム」を求めて

アンニョンハセヨ、プサンナビです。海産物で有名なプサンで魚の「チム(煮込み料理)」を食べたことはありますか?「ポックチム(フグの煮込み料理)」もありますが、今日は、今やプサンを代表する料理ともいえる「アグチム(アンコウをモヤシなどの野菜と辛く煮込んだ料理)」を紹介したいと思います。「アンコウ」は標準語では「アグィ」と発音しますが、プサンなど慶尚南道地方の方言である「アグ」が正式な名称になったというから、やっぱりここが本場というのは間違いないようです。ところで、40年も同じ場所で親しまれてきた「アグチム」専門店が南浦洞(ナンポドン)にあるのだとか。早速、噂の「ムルコンシクタン」に出発!
捨てられる魚が国家代表料理として甦る!アグチムを求めて三千里。
さぁ、これからタイムマシーンに乗って行くのは1950年代前後の馬山(マサン)です。馬山はプサンからも近い工業都市として有名なところ。「アグチム」は馬山で「こぶ婆さん」と呼ばれていた人が作ったのが始まりなのだとか。今では韓国を代表する料理ですが、その「アンコウ」は50年ほど前といえども、釣っても捨てるような魚だったといいます。当時、食堂を運営していたおばあさんが自慢の腕を生かして「アンコウ」をフグのように料理して出したのが大当たりして、その後韓国を代表する料理として定着していったのだとか。現在のように野菜とモヤシを入れたものは1960年代を過ぎてから誕生したようです。
参考までに、馬山のアグチムはアンコウを干したものを使いますが、プサンでは生のまま使うというところがひとつめの違い。そして馬山の場合、アグチムにエボヤを入れるのが一般的で、プサンではお店によっても違いますが、一般化はされてないというところが違うところです。

創業当時からの変わらないおいしさが魅力!
今日ナビがお邪魔するのはアグチム専門店「ムルコンシッタン」さんです。40年の伝統とお店を開店した社長であるおばあちゃんが今も変わらずおいしい料理を作ってくれるのが特徴。お店の名前「ムルコン」というのは「アグ(アンコウ)」の別名なのだとか。ちなみに「シッタン」は「食堂」という意味です。アンコウ専門だけあって、メニューはアグチム、アグスユッ、アグッタンの3つ。このシンプルさが小気味よくていいですね。
※下のメニュー写真は取材時のものです。
2階建てのお店は一見すると、とても現代的な住宅のように見えるのですが、中に入ると部屋と部屋がつながった昔ながらの構造。でもブラインドで仕切ることができるのでご安心を。また、ところどころに小さな部屋があって、こぢんまりとして落ち着いた雰囲気の中でも熱くて辛い食事を楽しむこともできます。直接料理を作ってくれるおばあちゃんの慣れた手つきを見ていると、料理にさらなる期待が…。これはおいしくないわけがない!
おいしさの秘密。教えて、おばあちゃん!
ここ「ムルコンシッタン」の味の秘訣は、現在でも明け方にはチャガルチ市場に行って直接新鮮なアンコウを選ぶというおばあちゃんのこだわりと誠実さがひとつめ。2つめは、おばあちゃんの故郷である全羅道の求礼(クレ)から粉唐辛子やいりごまを40年間も継続して取り寄せて使っているということ。ここのアグチムはただ辛いだけではなく、まろやかで深みのあるピリっとした辛さが特徴です。これは、よい環境で育った材料を使っているからできる味なのだとか。おばあちゃんのこの愛郷心こそがおいしさの秘密?!
そして、ついに明かされるもうひとつの秘訣!それは、アグチムのヤンニョムにアンコウの肝を入れること。こうして独特の味を引き出すのだとか。う~考えただけでもよだれが止まりませ~ん。^^さて、注文したアグチムを半分くらい食べたところで「カムジャサリ(じゃがいもからできた麺)」を頼んでみてください。このシコシコの麺にピリ辛のヤンニョムがすごく合う!もう一杯ご飯が食べたくなる味ですよ。
また、せりやエリンギと一緒に煮る「アグッタン(アンコウ鍋)」は、さっぱりした淡白な味で酔い覚ましにも効きそう。「アグスユッ」とはアンコウを湯引きしたもので、口の中でとろけるようなやわらかさが魅力です。おかずも手作りの調味料で作られているので、体にも消化にもよさそう。
知ってお得なアンコウの効能
アグチムには胃や腸を丈夫にし、動脈硬化、糖尿などの成人病やガンを予防する効果あり。一緒に煮込むせりはビタミンA、B1、Cなどが多量に含まれていて、タンパク質、鉄分、カルシウム、リン、無機質なども豊富で栄養価が高いアルカリ性食品です。最近では、血圧を下げる効果も認められ、心臓病や神経痛にもよいといわれています。チムにかかせないモヤシもまた、ビタミンを多量に含んでいて二日酔いにも効くのだとか。
あ~本当においしそう。漂ってくるピリっとした甘~い匂いにナビはもう撮影どころじゃありません!それにしてもここは本当に我が家のような雰囲気のお店です。おばあちゃんのお話を聞いているだけでも和みますよ。小さな部屋で親しい友だちと一緒にアグチムをつつきたいなぁ~なんて思いながら、プサンナビがお伝えしました。

記事登録日:2002-12-04

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主なメニュー

単位:ウォン

イチオシ

アグチム

アンコウ蒸し

아구찜

小15000
中20000
大30000

アグスユッ

アンコウの湯引き

아구수육

小30000
大50000

アグタン

アンコウ鍋

아구탕

小6000
大10000

カムジャサリ

ジャガイモ麺追加

감자사리

1000

コンギパッ

ご飯

공기밥

1000

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2002-12-04

スポット更新日:2012-10-10

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宿泊数
部屋数 部屋1 大人 子供