全州式の土鍋を釜山に広めた32年伝統の海雲台フグ料理の老舗
アニョンハセヨ、プサンナビです。フグと聞いたら、誰でも顔に笑みが浮かんでしまうほどの食材。日本では高級というイメージがありますが、釜山では庶民的に食べられる定番メニューとして定着しています。街のフグ屋さんでポックッ(フグチリ)を注文すると、10,000ウォン以下ほどでいただけるんですが、せっかく釜山でフグを食べるんだから豪華なふぐ刺しなども食べたい!なんて方もいらっしゃいますよね。そんな方にオススメしたいお店が、今日ご紹介するクムスポックッさん。釜山でフグといえば欠かせないほど有名店で、創業から40年という歴史ある老舗店でもあるんです。庶民的なポックッを食べたいという方はお店の1階へ、ちょっと高級志向でフグをいただきたいという方は、ラグジュアリー雰囲気漂う2階席へ。ということで、早速お店へお邪魔してみましょう。
庶民志向の1階、高級志向の2階お店は海雲台エリアのフグ通りのちょうど真ん中あたりに位置しています。フグ通りの中でも一際目立つお店なので、通りを歩いているだけでもすぐわかると思います。お店に入ってすぐ、スタッフが素敵な笑顔で迎えてくれます。冒頭でも触れましたが、1階ではポックッなどのメニュー、そして2階はコースやふぐ刺しなどのメニューになっているので、入口でスタッフの方にその旨を伝え、1階、もしくは2階へ進みましょう。
<1階>
お昼の定番メニュー「ポックッ」が主流の1階は、たくさんのお客さんがいっぺんに入れるように座席がたくさんあります。ちょっと騒がしい?!という雰囲気は否めませんが、わいわいとした庶民的な雰囲気です。テーブル席、奥には座席もあります。
<2階>
2階に上がると照明が落とされ、落ち着いた雰囲気。ゆっくりフグを味わいたいという方は、コース料理をチョイスして2階席でお食事をされることをオススメします。
釜山に広めた土鍋でフグチリポックッを釜山でいただくと、ほとんどのお店が土鍋の容器に盛られています。その元祖というのが、こちらのクムスポックッさんなんです。歴史が35年と長いだけに、釜山のフグの歴史もこちらのお店がリードしてきたといっても過言ではないほど、釜山のフグ屋さんの頂点に立つクムスポックッ。創業者である現在の社長さんのお母様が、有名な全州のピビンパッからヒントを得て、考案したというのが土鍋フグチリなんです。なぜ土鍋なのかというと、土鍋は熱を逃がさないように作られているため、いつでもフグを熱々でいただけるという点、そして、時間をかけてぐつぐつと煮込みながら、すっきりとしたスープを作り出せるというのがポイントなんだとか。この土鍋が、お客さんをひきつける魅力につながっているのかもしれません。
芸術ともいえるフグ料理の数々!フグ刺しやフグのから揚げ、フグポッサムなど味覚だけでなく、視覚までも満足させてくれる単品料理やその単品料理が少しずつ織り込まれたコース料理があります。食べたいけど予算が・・・という方にはお得な特選ランチメニューもありますよ!厨房では、一つ一つ手間をかけ、フグ専用の調理師免許を持った方が味だけでなく、目で見ても楽しめるようにフグを調理しています。では単品料理を一つずつ見ていくことにしましょう。
フグ刺し
まずは王道のフグ刺し。フグをさばいてからすぐお客様に出すのではなく、クムスポックッのフグ刺しの美味しさの秘密でもある、寝かせたフグを使います。時間は10数時間ほど。これによってより柔らかく、良い味が出てるんだとか。また、韓国特有のチョジャン(コチュジャンにお酢)を加えたものではなく、醤油にゆずを加えた上品なソースなので、日本人の味覚にピッタリ!!口に入れた瞬間、フグの柔らかさ、ゆずの香りが口の中で広がり、もうそこは天国!!お皿の中心には、フグの皮の部分もあるので、一緒に食べるとコリコリッとした食感も楽しめます。
フグのから揚げ
こちらも人気のメニューの一つ。見た目と同じように、外はカリカリに揚げてありますが、中は柔らか~いフグのジューシーなお肉が詰まっていて、ボリューム満点!こちらはサルサソースがついてきます。ミスマッチ?!と思ってしまいますが、意外や意外で淡白なフグの味に、このピリ辛としたサルサソースがピッタリ!お酒のお供にもオススメですよ~。また、蕎麦で巻いた海老の揚げ物も一緒についてきます。
フグポッサム
お店の方が前菜としてオススメというのがこちら。チコリというちょっとほろ苦くてシャキシャキしている野菜の上にフグのお肉と皮、そして日本のお鍋の薬味として欠かせない、もみじおろしがちょこんと乗っています。お皿には氷が敷いてあり、食べてみるとその冷たさと新鮮な味が飛び込んできて、その美味しさに驚くかも?!
フグちり鍋
食事の最後の〆はやはりお鍋ですよねー。こちらのお店では、テーブルの上にお鍋を持ってきてグツグツ目の前でやってくれるのではなく、テーブルの脇の専用のカートの上で調理し、一人一人専用のお皿に盛って出してくれます。お鍋が終わったら、最後にフグのダシがたっぷり染み出たスープでおかゆを作ってくれます。上品な味という言葉がピッタリのさっぱりしたお味になっているので、お腹いっぱいになってしまっても食べれちゃいますよー。
釜山でフグというと、お手ごろはポックッを想像してしまいますが、こういった豪華なフグ料理を食べたい!という方は、是非こちらのクムスポックッにいらしてみてください。味や新鮮さだけでなく、店内のインテリア、雰囲気、そして料理の盛り付けと、5感を満足させてくれるお料理が待っていますョ!以上、プサンナビがお送りしました。