東洋一古い新羅時代の天文台
アンニョンハセヨ、ナビです。慶州には東洋でもっとも古い天文台が現存しています。7世紀につくられた瞻星台(チョムソンデ)は、とっくり型の愛らしい形をした天文台。1962年には国宝第31号にも指定されました。上にゆくに従ってゆるやかな曲線を描く瞻星台は、非常にユニークな形をしていますが、その構造は実に複雑。機能的かつ科学的に作られています。過去1300年以上も人々とともに慶州の夜空を見上げてきた東洋最古の天文台。いったいどのような作りになっているのでしょうか。
瞻星台まるわかりデータ
敷地の中にポツンとたたずむ瞻星台。単純に石を組み上げただけのようにも見えますが、実はものすごく緻密な計算に基づいて作られておりました。まず全体的に使われている石が全部で361個半。これは陰暦の1年を表しています。また中間に四角形の窓のようなものが作られていますが、この窓の上段を基準に最上段までが12段。下段から最下段までも12段。これは1年12ヶ月。そして24節気を表現しています。四角形の窓は出入口として使われていました。内部を見ると下から12段目までは土で埋まっており、出入口にはハシゴをかけた跡があるそうです。また出入口の少し上には井桁状に長い石が組まれ、その一部が外部に露出しています。ハシゴで中に入り井桁を通じて最上部まであがったと考えられています。
瞻星台データ
高さ 9.108m
下部直径 4.93m
上部直径 2.85m
入場料300ウォンを払う価値はありや
瞻星台は大陵苑、鶏林のすぐそばにあります。大陵苑の駐車場を出て道路の向かいが瞻星台へ向かう道の入口。左にカーブする道に従って200mほど行くと瞻星台が見えてきました。しかしこの瞻星台。見えてきたというより、見えてしまったと言ったほうがいいかもしれません。この敷地の中に見るべきものは瞻星台のみ。外から丸見えなのに、入場料を払って中に入る必要はあるのでしょうか……。
この疑問に対してナビが自信を持ってお答えします。絶対に入るべきです。
せっかくの国宝。東洋最古の天文台。低い柵で囲まれているので、近づいてベタベタ触るというわけにはいきませんが、敷地の外から見るのとはやはり大違いです。本当に出入口まで12段なのか数えてもよし。井桁の突き出た部分がどこなのか確認するのもよしです。ナビは途中であきらめましたが、うんとがんばる人は石の数まで数えてもいいでしょう。近くで見ると迫力が違います。300ウォンを惜しんではいけません。
入口の木にはカリンの実瞻星台の入口すぐに1本の木が立っています。緑色の実がなっているのですが、柿よりは一回り大きい感じ。土産物屋のおばちゃんに聞いてみたところカリンの実とのことでした。漢方薬材としても使いますが、砂糖漬けにして食べてもおいしいそうです。
馬車に乗れます瞻星台へ向かう道の入口から馬車に乗ることができます。この馬車は瞻星台、鶏林、半月城一帯をカッポカッポと往復しています。移動手段というよりは、どちらかというと雰囲気を楽しむもの。瞻星台、鶏林、半月城を回るのは歩いてもたいした距離ではありませんが、優雅に馬車に乗って行くのも悪くないかもしれません。
運行時間:8時(冬季は9時)~日没まで
運行区間: 瞻星台、鶏林、半月城一帯
料金 :大人3000ウォン/子供(4~12歳)2000ウォン
瞻星台についてもっと知りたい人は
瞻星台についてもっと詳しく知りたい人は、新羅歴史博物館に足を向けてみるとよいでしょう。慶州民俗工芸村の敷地内にある新羅歴史博物館には5分の1サイズで作った瞻星台の模型があり、ハシゴを使ってのぼっていく様子などをわかりやすく展示しています。また最上部だけを再現したレプリカもあり、実物では見ることのできない内部の姿を知ることができます。慶州民俗工芸村に行くには慶州駅、またはバスロータリーから10、11番のバスに乗り、民俗工芸村で下車。バスを降りた目の前が慶州民俗工芸村です。
新羅時代の人々はどんな気持ちで夜空を眺めていたのでしょうか。国宝に指定されている貴重な建造物ですから不可能な話ではありますが、可能ならばぜひ一度瞻星台にあがって夜空を見つめてみたいものです。1300年前の夜空に思いを馳せつつ。以上、ナビがお届けしました。