JR九州が誇る日韓のスーパーエキスプレス、ビートル号!
アンニョンハセヨ、プサンナビです。今回は1991年に博多―釜山間に初めて就航して以来高い人気を得ているJR九州の「ビートル」をご紹介いたします。
「ビートル」は玄界灘を高速で走る「海の新幹線」といったところでしょう。ビートルは、JR九州と韓国鉄道庁の共同運航です。
1991年3月25日に「ビートル2」、1998年5月1日に「ジェビ」、2001年4月6日に「ビートル3」が就航し、3隻の船で年間30万人以上のお客さんを運び、11年間で200万人近くの送客実績があります。今回は、その中で2番目に登場したジェビに乗り込み取材をしました。ビートルファンの方やまだ乗ったことがない方、必見のレポートです。
ビートルとはカブトムシ!
ビートルとは、カブトムシという意味で、「海飛ぶカブトムシ」の愛称でしたしまれています。そういえば形もなんだかそんな感じかも。
アジアに眼を向けた日韓航路、ビートル!
国鉄の民営化後、アジアに一番近いJR九州はいち早く韓国に眼を向けました。いろいろな試行錯誤の上、博多~釜山の航路権を持っていた利点を生かしビートルを就航させたのです。
釜山旅行のパイオニア
ビートルが就航した当時の1991年を振り返ると、九州から海外旅行をする人は多くなく、特に釜山に訪れる観光客は非常に少なかった時代。しかしビートルが出来、飛行機に比べ格安で博多と釜山の中心を結ぶことができることが知れ渡り、年を追うごとにお客さんが増えてきました。海外旅行をしたことがない方でも、2万円前後の価格で海外旅行ができるとあって、初めての海外旅行に「ビートルで釜山」を選ぶ人が急増したため。ビートルが釜山旅行のスタイルを変えたとも言えるでしょう。
「国鉄マンたちがつくった日韓航路」を出版
ビートルでは11年間の歴史をつづった本も出しているんです。なぜ国鉄が外国航路である日韓航路に船出をして、今のように大人気のビートルになったのかが分かります。そしてビートルマンたちの苦労が書かれています。ビートルファンの方には必見の一冊です。
元鉄道員がビートルを操縦!
JR九州は船舶事業部をおこしたとき、国鉄時代青函連絡船をはじめ国内航路を持っていたため、その船員の移動とともに社内からの移動をおこないました。それまで改札で切符を切っていた人や、補線員、列車の運転・修理などをしていた鉄道員が集められました。ビートルは、改札で切符を切っていた人や元保線員の方がご苦労されて船舶免許を取り、ビートルを操縦してるんですよ。
お客さん1人でも走ったビートル!
今、大人気のビートルも就航から2、3年間は乗客が少なく1人のお客さんを乗せて走ったこともあるとか。今では信じられないことですよね。ビートルマン達とJR九州という大きなバックを受けながら、努力を重ねたビートルであったが営業成績が伸びなかったそうです。そんなビートルにとって、93年の大田エキスポの時、韓国ビザ廃止と旅行社の格安パックなどによる韓国ブームなどの追い風が吹き、一気にお客さんが増えていきました。
日韓共同切符
JRの各鉄道会社とビートルそれに韓国鉄道が手を結んだ割引切符です。別々に買うよりも安いです。
ビートル2、ジェビ、ビートル3の概要
総トン数 162トン
旅客定員 215名
全長 22,26m
走行速度 83km/H
燃料 軽油
片道の燃料 6000L
主機関 3,800馬力のガスタービン2基
推進機 ウオータージェット推進機2基
推進の仕組み
ジェットフォイルは、ガスタービンエンジンで駆動される「ウォータージェット推進機」の推力により船体を前進させ(艇走)、前後の水中翼に発生する揚力で海面 上に浮上させると(離水)、走行状態に入ります(翼走)。翼走中の動きは航空機ときわめて似ており、船体のバランス制御を行なう際には、水中翼の後縁に装備されているフラップを自動姿勢制御装置でコントロールしてつねに水面 から一定の高さを保ち、旋回時には船体を内側方向に傾斜させて滑らかに回頭します。要するにジェットフォイルは、大気のかわりに海水から揚力を得て飛ぶ"海の飛行機"なのです。
船酔いの心配なし!
ビートルは、船体を海面から完全に浮上させて航行しますので、高さ2mまでの波でしたら揺れることもなく、船酔いの心配がありません。
客室は
1階に119席,2階に96席の合わせて215席。船内はゆっくりとくつろげるタイプ。座席は1階が3,5,3、2階が2、5,2の配列となっています。シートもリクライニングシートなんです。
日本人だけのクルー!
ビートルは、現在日韓間を走る船としては唯一日本人のクルーだけで運行する船舶です。クルーは8人でデッキ(運転室)に男性5人、客室係りが女性3人となっています。困ったことがあっても日本語で対応してくれるのがありがたいですよね。
船内誌「BEETLE」
ビートルでは、1年に4回、船内誌「BEETLE」を発行しており、釜山に行かれる方には、大好評です。この船内誌ではグルメや文化イベントなど、非常に分かりやすく釜山の魅力を紹介しています。ビートル船内か、ビートルチェックインカウンターで無料で貰えます。
高い就航率!
ビートルの就航率は、年間で98パーセントを誇っています。
<運行表>
こちらをクリック
<料金>
◎博多発の料金 (片道(円) /往復(円) )
大人 13,000 /24,000
平日往復割引運賃(大人のみ設定、販売条件あり) X/ 20,000
子供(2歳以上―12歳未満) 6,500 /13,000
学生・障害者 10,400/ 20,800
幼児(1歳以上―2歳未満) 1,300/ 2,600
1歳未満 無料 /無料
*博多港ターミナル使用料(大人400円、子供200円)
*燃料付加運賃(1500円)※2012年1月1日現在
4枚つづりの回数券
ビートルには、お得で便利な回数券もあるんです。4枚つずりで40,000円。有効期間180日となっていて、1回はグリーン席を利用することが可能です。
◎団体割引運賃 (10名以上(円)/ 40名以上(円) )
一般団体 11,050 /10,400
学生団体 9,100 /9,100
◎釜山発の料金(片道(ウォン) /往復(ウォン) )
大人 95,000/ 171,000
子供(2歳以上―12歳未満) 47,500 /95,000
学生・障害者 76,000 /152,000
幼児(1歳以上―2歳未満) 9,500/ 19,000
1歳未満 無料 /無料
*釜山港ターミナル使用料(大人、子供1,100ウォン、6歳未満無料)
*燃料付加運賃(20000ウォン)※2012年1月1日現在
韓国ウォンも使える売店(免税店)
売店は,1階の前方に設置されています。売店(免税店)の営業時間は,出港後15分後から到着15分前まで。ビールやジュース、つまみやなどが買えます。免税品を買い忘れ時に助かる免税店は、出港後1時間後から1時間の販売です。ビートルグッズも大人気です。今では韓国ウォンも使えるようになりました。
カウンターバー
ビートル内にはカウンターバーがあり、船内で買える150円ビールを飲んだりすることも出来るんです。
タバコ類
ビートルは約11年の実績があり、玄界灘の荒波より高い障害が襲ってきてもそれを乗り越えて、今では日韓の重要な足に成長しました。これからも釜山旅行のパイオニアとして、ますますたくさんのお客さんを運んでもらいたいですね。以上、玄界灘の荒波を切って走るビートルの中から、プサンナビがお送りいたしました。
●JR九州ビートル