韓国映画界の巨匠、林権沢監督のシネマワールドを映画の街釜山で!
こんにちは、プサンナビです。釜山国際映画映画祭をはじめ、映画の街と知られている釜山。釜山を映画の街へと押し上げた理由のひとつに、街や市をあげて映画作りを支援したり、映画の環境を整えたりしていることがありますが、大学にも映画監督がかかわる映画学科があるのをご存知ですか?実は韓国映画の巨匠イム・グォンテク(林権沢)監督が釜山の東西大学の映画芸術学科で教授をつとめているんです。その東西大学には監督が長年撮ってきた映画の数々、また関連するものが展示されている映画博物館があります。今日はその「イムグォンテク映画博物館」について、くわしくご紹介しましょう。
イム・グォンテク監督って?!
イム・グォンテク(林権沢)は韓国映画界を代表する巨匠の1人。現在まで100本以上の映画を撮り、フランス文化芸術勲章や福岡アジア文化賞、サンフランシスコ国際映画祭で黒澤賞、またカンヌ映画祭で監督賞を受賞するなど、韓国内にとどまらず、世界中で評価の高い名監督。特に釜山国際映画祭には毎年訪れ、さまざまなイベントに参加しています。そして2007年から釜山の東西大学で教授も勤め、2013年には同大学のキャンパスに映画博物館がオープン!ちなみに韓国では国民監督と呼ばれるようになったのは1990年の映画「将軍の息子(ジャングンエアドゥル)」から。日本では「風の丘を越えて/西便制」で知られるようになりました。
<主な作品(年)>
族譜(1978)/シバジ(1986)/アダダ(1987)/ハラギャティ(1989)/将軍の息子(1990)/風の丘を越えて/西便制(1993)/太白山脈(1994)/祝祭(1996)/春香伝(2000)/酔画仙(2002)/下流人生(2004)
イム・グォンテク映画博物館
現在までに監督した映画101作品の関連資料や物品、写真など1000点以上の資料が6つの展示室に分けて一般公開されています。当時の脚本や映画ポスター、雑誌や新聞のインタビュー記事、どうやって映画が作られるのかがわかるパノラマや数々の賞を受賞した際のトロフィーなど、イム監督の映画人生すべてを垣間見ることができる空間となっています。これは映画好きにはたまらない場所!また博物館のある東西大学のセンタムシティーキャンパスは釜山国際映画祭の専用シアターである映画の殿堂から徒歩数分。映画関連で観光を楽しむベストロケーションにあります!
5つのブースに分けられた展示
それほど大きくはない博物館ですが、監督の映画人生を振り返って見られることができる博物館だけあって、中身の濃い資料が並んでいます。入り口から順に見ていくことで、イム・グォンテクの監督人生の始まりから現在まで続くように見学できるようになっています。
●「幼年期と青年期」 (1934~1961年)
監督の個人の写真が飾ってあります。両親と写った幼少期の監督の写真やジョン・チャンファ監督の下で働いていた青年時代の監督の姿など。
●「出発と模索」 (1962~1975年)
1962年に映画監督としてデビューした後のアクション映画や時代劇など多様なジャンルの映画を作っていた時代。
●「作家意識の発芽」 (1976~1989年)
監督固有の世界観とスタイルで監督自身の色がある映画の世界を作り始めた時期の展示。世界で認められはじめた頃の資料や当時のシナリオ、また映画で使われたさまざまなな音楽を楽しめるコーナーもあります。
●「国民監督 全盛時代」 (1990~2000年)
国民監督となった作品「将軍の息子(チャングンエアドゥル)」を作りあげた時代。この作品のセットが飾られています。
●「生きる、芸術、求道者」 (2001年~現在)
2002年「酔画仙(チファソン)」がカンヌ映画祭で監督賞を受賞、本格的に世界で認められた監督に。受賞したトロフィーや作品などが展示されています。
残念ながら日本語での解説はないけれど、韓国映画ファンならかなり楽しめる博物館ではないでしょうか?映画の殿堂を観光したついでに是非立ち寄ってみてくださいね。現在の韓国映画の発展の初期の頃の映画界の姿を垣間見ることができますよ!以上、「イムグォンテク映画博物館」からプサンナビがお送りしました。