機張の工房で陶磁器作りにチャレンジ!工房は黒田長政が築いた倭城でもある歴史的名所!
アンニョンハセヨ、プサンナビです。旅行に行ったり、どこか観光に行ったりして、体験できます~!なんて看板を見ると楽しくなりませんか?韓国ならキムチ漬け体験や韓服を着る体験といろんなものがあると思いますが、今日、紹介する体験は、韓国陶磁器作りを体験できちゃう工房をご紹介していきたいと思います。また、こちらの工房は、ただの工房ではなく、豊臣秀吉時代に朝鮮半島を侵略しようとわたってきた武士黒田長政が築いた倭城もあり、歴史的名所としても価値ある場所となっています。
場所は、釜山のはずれ機張
工房のある場所は、釜山の北のはずれ、機張(キジャン)にあり、丘からはきれいな海の景色が見えるのどかな田舎といった場所にあります。アクセスはちょっと難しいのですが、釜山市内からバスが出ています。また、タクシーで行かれてもそれほど遠くはなく、海雲台(ヘウンデ)からは20分ほどの距離にあります。一番分かりやすい方法はタクシーで行く方法になっています。
工房の中は、こちらの工房を経営されている作家のソンジュンハン先生のご自宅や工房、そして体験工房、窯などがあります。昔から日本に陶磁器などを輸出する場所としても有名で、高句麗時代から陶磁器を作る場所や窯などがあったところがこちらの機張の街なんだそうです。景色がきれいなところなので、素敵な作品ができる場所だなーと感じましたよ。
壁画から陶磁器へ。作家のソンジュンハン先生
こちらの工房を経営されている方が、ソンジュンハン先生といわれる方。韓国内ではとても有名な方で、韓国で発掘された高句麗の壁画などを後世に残すために陶磁器へ移すという作業を行っている先生なんです。 この壁画を陶磁器へ写す作業を行っている方は、韓国で唯一の先生で、古墳壁画陶芸というんだとか。古墳壁画陶芸とは、昔の古墳(高句麗)にある壁画を陶磁器写し、損傷部分なども含めて、再現することを言います。もともと、趣味で陶磁器作りを始め、今から25年前に本格的にプロとして工房をこちらの土地で開かれたそうなんです。今でも、毎日、壁画へ移す作業を行っていて、その傍ら、陶磁器が好きという方へ体験で陶磁器の講習も行っているそうなんです。日本語を少し話され、とても穏やかな先生で、やさしく、いろいろな韓国の陶磁器、壁画について教えてくださいます。
工房の中をちょっとのぞいてみましょう!
こちらが陶磁器を体験できるお部屋です。
体験して作った陶磁器は、日本まで送ることも可能ですが、送料はお客さん負担ということです。送るまでに約1ヶ月ほどかかるということでした。
こちらが窯です。
すぐ窯のお隣にあるのが追悼碑。
こちらの追悼碑は、壬申の乱の時代に、こちらから韓国の陶磁器の職人さんが日本へ渡っていったといわれている場所で、最後にここで韓国に別れをいった場所ということで、追悼碑が建てられています。現在でも、この追悼碑の前で年に1度追悼祭を行っているんだそうです。日本からもみにこられる方もいるんだそうですよ。
先生の作業所
作品の展示場
先生の作品が展示されている場所です。こちらに展示されているものは販売もしているということでしたよ。昨年(2008年)に放送された大王四神記で使われた壁画の陶磁器もありました。
黒田長政が築いた倭城
工房のお隣が小高い丘になっているんですが、そちらに見えるのが黒田長政が築いたとされている倭城です。写真で見ると木の陰に隠れて見え難いですが、工房から歩いて丘を上がっていくとしっかりとした城跡のようなものを見学することができます。四角く岩石が斜めに積み上げられ3段の城壁が見れます。長さは約300Mほどで、高さは4Mほどだということです。城というよりも敵から身を守るための城壁だけ作られたようなものなんだとか。こちらは自由に見学することが可能になっています。
倭城とは?
ここでちょっとお勉強を!「倭城」と呼ばれるのは、お城の跡のことをいいます。豊臣秀吉が朝鮮半島を侵略しようとして起こした「文禄・慶長の役」の際に、戦略の根拠地の確保、連絡の拠点、攻撃への防衛のために築造された城のことを言い、釜山近隣にはこのような倭城の跡が全部で30もあると言われています。これらの倭城から戦国期に発展した日本の築城技術を知ることができるため、歴史好きの間では大きな関心、研究対象にもなっています。釜山市内にもこの倭城が見られる場所があります。詳しくは子城台 の
記事をチェックされて見てください。