陶磁器と古風家具…。韓国(朝鮮)の伝統工芸が見える
アンニョンハセヨ!プサンナビです。今日は南浦洞にお店を構えて10余年、韓国の芸術家の作品を手頃な価格で購入することができる工房「殷松 TAMINA」をご紹介します。社長さんは日本語も上手で、このお店も日本の様々なガイドブックでも紹介されているというくらい、昔から信頼を集めているお店。売り場が即ギャラリーという。さっそく中に入ってみるとしましょう。
「TAMINA」=「タミ(貧が) ナ(出る)」=「欲が出る」
屋号の一部である「TAMINA」とは「欲が出る」という意味の韓国語をローマ字表記したもの。つまり、この名前は、ここにある作品を見ると誰でも欲しくなってしまうことに由来しています。その自信に満ちた名前の秘密は?
こちらのお店は全商品に値札を付けて販売しているので、安心して買い物ができます。また、時々40%オフの割引期間も設定されるので、まめなチェックが必要。平常時でも他の店よりは20%くらいは安く買えるそうですが、安さの秘密は作家から直接買い付けていることにあるよう。社長さんの狙いはインパクトのある作品をお客様に手軽な価格で提供することで、契約成立後も送料さえ支払えば配達便でご自宅まで安全確実に運んでくれるとか。ガラス製の装飾品でもOKだそう。
朝鮮時代の「アンパン」=家具の全盛期
こちらにいるとなんだか美術館で展示を見ているような気に。店内に溢れるアンティークな家具と木の香り。数々の額字をわざと整然と並べていない陳列が逆に新鮮に感じられます。木の素材で作ったスッカラ(スプーン)・チョッカラ(箸)は軽くてとっても使い易そう。お茶菓子の盛りつけてもピッタリの小さな会席膳は高級感が漂っています。木製の茶托やしゃもじも家の中の飾り付けにもってこいの逸品。
最近、日本人観光客の間で昔、韓国の薬屋で使っていた引き出しが沢山ついたタンスが密かなブームを呼んでいるとか。小さな引き出しの一つ一つに小物を色々と入れてみるのも面白いかも。アンパンとは韓国家屋内の1つの部屋の名で台所に面し、夫婦が就寝したり、妻が家事をする生活の中心となる部屋のこと。他には「閨房」「閨閤」「内房」という呼び名もあります。
「僕、可愛い?」
韓国の昔の結婚風景を表現した人形の数々やお爺さんやお婆さんににこやかに微笑む子供人形は贈られる方の心まで和ませてしまう打ってつけの贈り物。こちらにいる人形たちの表情は皆愛嬌があって眺めているだけでなんだか幸せな気分になります。
陶磁器=炎の踊った跡はまるで生きているかのよう
高麗青磁風茶器のセットで特に目を引くのは、現代的なガス窯ではなく、薪で焚きつける土窯でしっかりと焼き上げられた陶磁器の数々。陶磁器の魅力はうわぐすりと火の調和であり、土窯で焼いた物の方が炎の踊り具合を楽しめるよう。
ヤンニョムを入れても映える小さな壷の陶磁器も軽いし土の手触りがそのまま伝わってきていい感じ。
お店から学ぶプロのディスプレイ術
こちらの最大の魅力は、インテリア・デザイナーの技を直接見ることができること。店内を思う存分散策するのも楽しいですが、お部屋に帰ってから学んだディスプレイを再現してみるというのもまた魅力的!日本人の観光客なら店内を見るだけで喜びを感じるとか。韓国人と日本人両方に楽しめるように作られた工房のため、色々と苦労も多いようですが、社長さんの抜群なセンスで、万人に楽しみや癒しを与えてくれる空間へ日々進化を続けています。
お店の魅力でもある社長の感性
至極の作品の数々が整然と並べられたディスプレイと癒しの風景・。それがこちらの魅力。もともとインテリア専攻で、家具や陶磁器などの骨董品を趣味で集めているうちにそれが仕事になってしまったと社長さん。特に芸術家の作品に関心が高かった社長さんが工房を開いたのは、彼らの作品を展示したかったからだとか。しかし少数の作家の限られた作品だけを展示するのではなく、毎週全国を巡り新鋭作家を発掘することも。1週間に2回は作品を求めに出かけてしまうため、流暢な日本語を駆使する、誠実で、素敵な社長さんに是非会ってみたいという方は、前もって電話でチェックした方がいいでしょう。以上、ステキな社長さんとステキな工房「殷松 TAMINA」からプサンナビがお伝えしました。
価格帯
(単位:ウォン)
※価格は取材時のものです。
湯飲み 5000~20000
家具 20000~60000
化粧台 20000~50000
朝鮮箪笥 200000~500000
飾り棚 140000~410000
丸太製食卓(椅子4つ付き) 790000
飾り人形 15000~200000