慶州のうまいものはすべて城東市場から旅立っていくのです!
アンニョンハセヨ、ナビです。韓国における観光スポットのなかで、市場ってけっこう大きな位置を占めていると思いませんか? ソウルであれば南大門市場、東大門市場。プサンだったらチャガルチ市場、国際市場。もちろん慶州にだって市場があります。慶州駅から徒歩1分。アクセス抜群という慶州の市場は、城東(ソンドン)市場といいます。この城東市場ではソウルやプサンとはまた違う、慶州独特の姿を見ることができます。
城東市場とは
慶州の市街地には2つの代表的な市場があります。ひとつがこの城東市場。もうひとつは約1km離れたところにある中央(チュンアン)市場です。城東市場には肉、野菜、魚、惣菜などの食料品を始め、祭祀用品、日用品、衣類などさまざまな品物が揃っています。駅前という場所のよさもあり、毎日たくさんの人で賑わっています。
城東市場への道
慶州駅からは道の説明がまったく必要のない距離です。駅前の横断歩道を渡ると、そこがもう市場の入口。歩道に店を広げる人たちでいっぱいです。市内・高速バスターミナルからは歩いて25分程度。慶州駅のバス停は城東市場の入口にあるので、バスを利用してもいいでしょう。普門(ポムン)観光団地、仏国寺(プルグッサ)周辺からは11番バスに乗り同じく慶州駅下車です。
慶州の食文化が見える市場
城東市場を歩いていたら面白いことに気付きました。城東市場は慶州の市場。そして慶州には慶州の食材があるのです。ごらんください。こちらが慶州を代表する食材の面々です。
<ドジョウ>
慶州はチュオタンが有名です。チュオタンとはドジョウのスープのこと。1度茹でたドジョウをすりつぶし、皮と骨を除いてスープに入れます。白菜、ネギなどの野菜を加え、ニンニク、唐辛子、そして味噌とコチュジャンで味を整えます。最後に山椒を振って香りをつけたらチュオタンのできあがり。チュオタンは八友亭ヘジャンクッ通りを始めとした、市内の食堂で食べられます。
<サンパプ>
慶州はサンパプも有名です。サンチュ、ゴマの葉、チコリ、ケールなどたくさんの葉野菜でごはんを包んで食べるのがサンパプです。市庁から大陵苑(テヌンウォン)の入口にかけての道は、専門店が立ち並ぶサンパプ通りとなっています。サンパプ通りのほかにも、慶州各地にサンパプの専門店があります。
<カルグッス>
市場のあちらこちらでカルグッスの麺を打つ姿が見られます。カルグッスとは小麦で作った麺料理のこと。北部地方がソバ粉、緑豆粉などを使用した冷麺で有名なのに対し、南部地方は小麦がたくさんとれるため小麦粉を使った麺料理が発達しました。慶州が位置する慶尚道のカルグッスは小麦粉に大豆粉を加えるのが特徴。城東市場内、また市内のあちこちにカルグッスの専門店が並んでいます。
<タコ>
店の前に大量のタコがぶらさげられていました。これらのタコは祭祀用として使われます。1番大きいもので10万ウォン程度、小さいものは1万~2万ウォン程度だそうです。
市場の元気なおばちゃんたち
市場のあちらこちらからおばちゃんたちの元気な声が聞こえてきます。韓国の市場を切り盛りしているのはほとんどが女性。にこやかな笑顔で威勢良く応対してくれます。
惣菜の写真を撮影していたら、おばちゃんたちがもの珍しそうに集まってきました。取材で来た旨を伝えると、「だったらあそこへ行け」「いやあっちがいい」「どこそこはもう見たか」と慶州のおすすめ観光スポットをたくさん教えてくれました。慶州のおばちゃんはみんな親切です。
市場の楽しみはやっぱり食べることでしょう
眺めていても楽しいですが、やっぱり市場では何か食べたくなりますよね。キンパプ、オデン、カボチャのお粥などなど。いろいろなものがありましたが、今回は鶏の唐揚げをつまんでみました。
「おばちゃん、これ冷たいよ。」
「あらそう? じゃあ貸しなさい。あっためてあげるから。」
「ほんと? ありがとー。」
揚げなおしてくれるのかと思ったら、店の奥にある電子レンジで、チーン。確かにあたたかくなりましたが、ちょっと、うーん。ちなみに箱に入ったフライドチキンは1羽で5000ウォンだそうです。
市場を網の目のように結ぶ路地を、気分にまかせてぐるぐる回ってみましょう。買物をしてもよし、一休みして何か食べてもよし、買物する人たちを眺めてもよしです。城東市場は駅前の目抜き通りに沿って位置します。近くにあるのは銀行だったり、郵便局だったり、証券会社だったり。オフィスと隣接して存在する市場。どこか慶州という街にあたたかみを与えているような気がしませんか。以上、ナビでした。