第5回【ハイウェイ編】
アンニョンハセヨ!
韓国のドライブの楽しみをお伝えしています、塩崎(しおさき)です。前回までは、3回にわたって、日本から韓国へ車でドライブに行くにはどうしたらいいか、その準備や手続きを、紹介してきました。そして、今回からはいよいよ!その韓国ドライブの実況中継を開催します。実際の高速道路ドライブの中で次々と巻き起こるイベントを通じて、さまざまな韓国ドライブ事情を紹介していきます。
まずはみなさん、韓国のドライブというと、どんなイメージを抱きますか?(えっ、考えたこともないから分からない?・・・そうおっしゃらずに!)しいて言えば、アジアチックなごちゃごちゃした道で、走りにくそうで、ややこしそうで・・・という感じでしょうか?まあ、そういうイメージを抱くのも無理もないかもしれません。何を隠そう、私も最初行ってみるまでは、「???」でしたからね。
しかし、これが、もうほとんど日本とおなじくらい、しっかりしていて驚かされます。特にその代表選手が高速道路。韓国の高速道路は本当に整備されていて、驚くほど快適です。というわけで今回は、みなさんの韓国ドライブのイメージを覆す(と思う・・・)であろう、最新の韓国高速道路事情をボリューム満点でご紹介して行きたいと思います!
まずは高速道路に乗ろう
さて、まずは高速道路に乗ります。日本と同じく高速道路は有料で、まずは高速券をとるわけですが・・・そうですね。日本車は右ハンドル、韓国は左ハンドル、そういうわけで、いきなりですが、『高速券が取れません!』。これはもう、車を降りてチケットを取りに行くしかありません・・・。後ろに車がいる場合には、笑顔で挨拶をしつつ、チケット取りにダッシュです!残念ながら韓国には、『右ハンドル用の発券機』は、ないようです・・・。 それにしても、ここの料金所も、なかなかキレイです。
高速券も見てビックリ!微妙に肌色な色合い、磁気ラインの入り具合といい、日本のものと似てますね~。こんなところでも、お隣を実感。
走り出せば分かる、その快適さ!
さて、高速券をとり、順調に走り出すことができましたが、走り始めてまずビックリするのが、このひろ~い道!道!道!見てください!写真で伝わりますかね~、このワイド感。
すべての韓国の高速道路がこんなに車線が多いわけではありませんが、写真のように、片側でも5車線、上下で10車線クラスの道が、日本より多いのです。それだけ車も多いんだろうなあ、渋滞もあるだろうし・・・などと悠長なことを言ってはいけません!もちろんそれも理由の一つでしょうが、実はもう一つ、こんなに広~くて、まーっすぐな高速道路が作られているのには、理由があるのです。
それは・・・『非常時には、ここが滑走路になる』のです!いわゆる有事の時には、高速道路が飛行場になる、ということです。確かに飛行機が離着陸するとなると、これくらい広くてまっすぐじゃないといけないよねえ、などと妙に納得してしまいます が、それ以前にそこまで想定されているというのがスゴイこと!
立派なサービスエリアにビックリ!
高速道路といえば、やっぱりはずせないのがサービスエリア。韓国にももちろんあります!名前は『休憩所(フュゲソ)』。そのまんま!
しかも、事前の案内看板も、驚くほど分かりやすくて、ここは日本かと錯覚してしまうほどなんです。このとおり、もうほとんど日本と同じような案内看板で、一目で分かります。が!実はこれ、よ~くみると、ビミョーに日本のとは違うんです!分かりますか??
正解は、『日本はナイフとフォークだが、韓国はスプーンとフォークである!』 です。これ、正解した人はもう、韓国ドライブ初段に認定します(なんのこっちゃ)。確かに韓国ではナイフは滅多に使わない、その代わりスプーンは必須!ピビンパだってなんだって、スプーンで食べますからね。ちゃんとその辺を反映して、さりげなくアレンジしてある辺りがにくい演出です。
そして案内看板の後には、休憩所(フュゲソ)をあらわす、黄色い塔看板が立っています。韓国の高速道路のサービスエリアの入り口には、必ずこのようにおおきな黄色い塔看板がたっているので、見逃すこともなく安心です。
では、おなかも空いたので、ちょっとレストランで食事を・・・。入ってみるとビックリ。ここはちょっとしたバイキングのような形式になっていました。希望の料理をお願いすれば、おねえさんがよそってくれます。文字のメニューではなく、実物が目の前にあるので、これなら頼んでから「しまった!」ということにはなりませんね。 私たちにとっては大助かり!
そのほかにも、休憩所(フュゲソ)にはお食事スポットがいっぱい。フランクフルトやフライドポテトなどのファーストフードから、マンドゥ(肉まんみたいなもの)からトッポッキ(甘辛い棒状のもちのようなもので韓国のおやつの定番)まで、いろんな味が楽しめます。
おお!するめもありました。韓国ではするめも大人気。いいにおいだったので思わずひとつ注文!目の前でお姉さんが焼いてくれました!しかも石焼!韓国の高速道路のサービスエリアでは、ただ休憩するだけではなく、韓国ならではの味を楽しむという楽しみ方もいいですね。
それから駐車場に目を移せば、なにやら物を広げまくっている車が・・・。パラソルまで出しちゃって、もう本格的です。なんだろう?と思って近づいてみると・・・なんと、カー用品を売っています!
それも結構な品揃え!三角停止版、懐中電灯、時計、芳香剤、ミラー、髭剃り、キーホルダー、工具セット、チケットホルダー、ブラシ、CDケース、ドライビンググローブ、シートベルトストッパー、ドリンクホルダー、携帯電話のハンズフリーシステム、シートカバー、ハンドルカバー、サングラス・・・・・・・・それになぜか電子万歩計。もう数えられないくらいたくさん!よくぞこの狭いスペースにこれだけ品揃えしました!って、ここ高速のサービスエリアの駐車場なんですけど・・・。
韓国では、高速に限らず、歩道もしくは一番歩道側の車線=露店 という式が成り立ちつことが多く、これもその応用です。なぜか!どの休憩所(フュゲソ)にも1,2台のトラックがこうやって、店を広げています。それらは、意外に実際にドライブに役に立つものであったり、それでいて建物内では販売されていなかったりするものが多く、案外助かることも。一軒の価値ありです!
いやはや、韓国の高速道路も日本じゃ体験できないようなことが次々と出てきていますが、こういったことが韓国ドライブのおもしろさだったりするんですね。観光地を訪れるだけじゃない、その過程のひとつひとつがおもしろい!っと言っている間に、今度はコックさんが背を向けてますね。何をしてるのでしょうか??こんなところで・・・。ここは、サービスエリア内のレストランの入り口なのですが・・・・
実は、これ、ATM。「俺の今月の給料いくらかな~♪」と考えているかどうかは分かりませんが、韓国には、本当にいたるところにATMがあります。高速道路の休憩所(フュゲソ)にも、このようにATMが設置されているところが多いです。最近は、日本の銀行でも『国際キャッシュカード』が簡単に作れて。
韓国でも「PLUSマーク」のついたATMならお金を下ろすことができるので、韓国ドライブにも持っていくといいかもしれません。日本の口座に入っているお金を韓国でおろすことができます。もちろん円じゃなくて、ウォンでですよ!たくさんの現金を持ち歩くのは不安なので、韓国ドライブで1週間くらいいるなら、持って置いて損はないですよ。
それから、建物の中に入ってみると、骨董品!まで売っていました。韓国といえば、陶磁器ですから、多分この辺の名物なんでしょうね。いかにも韓国らしい!こんなところで、陶磁器に出会えるとは、思っていませんでしたが!しかし、こんな大きな壷、高速道路のパーキングで買う人いるのだろうか・・・。「ああ、ちょうどこういうのほしかったんだよね!」などといって買うのでしょうか!?
あとは、休憩所(フュゲソ)で忘れてはならないのは、インフォメーションの活用。休憩所(フュゲソ)にはこれが設置されていることが多く、私たち旅行者には利用価値大なのです。「i」マークが目印ですね。
ここにはまず、日本語のガイドブックなどがさりげなくおいてある場合があります。そうでなくても、韓国の高速道路マップなどがもらえますので、ぜひいただいておきましょう。もちろん無料です。
さてさて、思わず見所の多かった休憩所(フュゲソ)に時間をとってしまいました。そろそろ出発。とその前に、車内で飲むドリンクでも買っておきましょう。
売店へ、Lets Go!売店がまたまた立派ですね~!きれいです。はっきりいって想像以上。ドリンクもずらり品揃え、値段も900ウォン程度と日本よりちょっと安いかな、という感じです。
休憩所(フュゲソ)にすっかり満足して、さあ出発進行です!
快調にドライブ、その先には・・・!
休憩所(フュゲソ)を出て出発です。相変わらず、まっすぐ続く道を、快調にドライブ。が!調子に乗っていてはいけません!そこに現れるのは、速度自動取り締しまり機です。日本よりも設置されている箇所は多く、「ダミーもまざってるんじゃないの?」という話しもありますが、みたところ「配線」までしっかりやってあるようですので・・・。
という問題じゃなくて、安全運転を常に心がけましょう!ちなみに韓国の速度取り締まり機は20kmオーバー程度でも作動します。高速道は基本的に100km制限のところが多いですが、中には110キロや80キロのところもあります。基本は100キロ、日本と同じ感覚で大丈夫です。おまけで、最低速度は50キロのところが多いです。
似たような標識でこんなのもあります!これは、100メートル車間距離をとりなさい!って意味ですね。日本にはない標識ですが、なんとなく見ただけで意味が分かってしまうのがうれしいところ。
続いては案内標識。韓国なので、もちろんハングル文字です。日本人がドライブに行 くと、これが一番大変そうですが、どうなのでしょうか?
実際に見てみると・・・
高速の案内標識は緑色、日本と同じ
道路には番号がつけてある
ハングル文字だけではなく、アルファベットも併記されている
距離表示は日本と同じ
パッと見が、結構日本と似てますね。文字もアルファベットがあるので、ある程度は読めます。この例でいくと、直進すればテグ・全州方面、約2キロ先で右へ分岐すると、光州・北大田行きの251号という高速道路がある、ということですね。基本的には、この道路番号を追いかけていけば、大丈夫です。
さて、料金所へ近づいてきましたが・・・・・・・・・でかい!
ここはソウルの料金所。韓国でもNo.1の大きさですが、それにしてもでかい!長い!果てしない!いったい何レーンあるか分かりません!写真に入りきれないくらい、ひたすら横に長い。いくらなんでも日本にもここまでのところはないなあ。どこに入るか迷います。
降りるときも、右ハンドルの日本車だと、手が届かない!ので、一旦車を降りて、料金を支払うのでした・・・。韓国の料金所は、日本と違って、必ず女性スタッフがお出迎え!ご苦労様です!
さて、最後にクイズをひとつ。
韓国の高速道路の料金はどれくらいだと思いますか?約450キロ離れたソウルと釜山(プサン)の料金をあててください!
1)約10000円 、2)約5000円、3)約2000円、4)無料
正解は、3番の約2000円です。ソウルと釜山(プサン)といったら、韓国の端と端みたいな感覚ですが、それだけ行っても2000円足らず!とは驚きです。それでいて、前回・今回とご紹介したように、道路もサービスエリアも、整っているというのはすごいですね。ちなみに日本の高速道路だったら、これ東京―京都間くらいの感覚ですが、それだと約1万円かかります!日本の高速道路ももっと安くなればいいのに・・・。
思った以上に、おもしろく、イベントの多かった韓国の高速道路。あまりのボリュー ムに「前編」「後編」に分けてお送りしましたが、いかがでしたでしょうか?思った 以上に整備されていて、韓国ドライブのイメージが変わった、という方もいらっしゃ るのでは?私自身も最初行ってみて、思った以上にキレイで整っていてビックリした のを覚えています。それにまだまだ、韓国の高速道路ドライブでも、面白体験はいろ いろあるんですが、とてもすべては紹介しきれません!その辺は、私のホームページ ( http://e-driving.info)でも紹介しています。よかったらそちらも見てくだ さいね!また、ご質問やご相談などあれば、どしどしメール( mail@e-driving.info )下さい。
また今回は、高速道路でしたが、もちろん一般道を走っても、いろんなイベントに出 会うことができます。韓国の人にとっては何気ない日常でも、私たち日本人がドライ ブすると、ひとつひとつが新鮮で、おもしろいものです。自分でハンドルを握るの で、行った先々の場所や名前なんかも、頭に入っていくので、結構印象に残る旅にも なりますし。次回は、高速道路を降りて、一般道のドライブで出会うイベントを紹介 していきます。では、また!
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2005-08-12