慶州のおすすめコース~自転車疾走記

レンタサイクルを活用して効率的な観光をしよう!

アンニョンハセヨ、K・F・Cです。慶州・釜山を楽しく旅行していたら、友人の慶州ナビに拉致されてしまいました。うまいものを食べさせてやると言われノコノコ出て行ったのが運のツキ。慶州エリアにある主要観光地を踏破する、突撃モニターをやらされる羽目になりました。自転車に乗れ、バスに乗れ、あっちへ行け、こっちへ行け、写真を撮るからポーズをとれ。慶州ナビの言うままに、4日かけて慶州をかけめぐってまいりました。慶州ナビが組み立てた慶州エリアおすすめ観光コース。4回に分けてK・F・Cがリポートいたします。
気持ちのいい秋の日曜日。軽やかに自転車で慶州観光としゃれこんでみました。歩くにはちょっと遠い。かといってタクシーやバスに乗る距離でもない。そんな微妙な距離を旅するには、やっぱり自転車が最適です。心地よい秋風を受けながら、さわやかに口笛など吹きペダルをこぐ。ヒラリヒラリとハンドルを切り、次の目的地へと一直線。どうですか? 実に快適そうではありませんか? 慶州ナビおすすめ観光コース第1弾はレンタサイクルを活用した効率的な観光コースを紹介します。
レンタサイクルを借りましょう
レンタサイクルの旅にまず必要なものとはなんでしょう。険しい坂道にも負けない脚力? 安全に走行できる運転技術? それともチェーンが外れたときの工具セット? いいえ違います。レンタサイクルの旅にまず必要なのは、自転車です。何よりも自転車がなければ出発できないのであります。ふわっふわっふわっ。
というわけで、慶州駅前にあるレンタサイクル屋さんを訪れてみました。慶州では駅前のほかにもバスターミナル周辺などたくさんのレンタサイクル屋さんが出ています。価格はだいたい1日借りて7000ウォン前後。1時間だと3000ウォンくらいになります。店によって多少レンタル料に差があり、また同じ店でも曜日や時間帯によって多少の変動があるそうです。

自転車の借り方を徹底解剖
店の前に自転車がずらりとならんでいます。見るからにレンタサイクル屋です。この店に入れば自転車が借りられるはず。でも……。どうやって借りたらいいのでしょう。そういえばソウルでも釜山でも自転車を借りたことなんてないなあ。少しばかりの緊張を胸に、勇気を出して店のトビラをガラガラと開けてみました。
1 自転車を貸してください
2 身分証明書(パスポート)を提示します
3 店の人がパスポート番号を控えます
4 お金を払います
5 地図で主要観光地を教えてくれます
6 地図をもらっちゃいました
7 寒い時期には手袋も必要(300~600ウォンくらいで売っています)
8 最後におばちゃんと記念撮影
やってみると実に簡単でした。自転車を借りたら不具合がないかどうか確かめましょう。自転車に違和感がある場合は交換してもらえます。
※注意:韓国は日本と違って車は右側通行です。道路の横断、右折、左折は特に注意しましょう。前から自動車が来ないと思っていたら突然後ろから来るなど、予想外のところから車が出てきてあわてることがあります。くれぐれも安全には気を配って観光しましょう。

いざ、出発!
慶州ナビから観光コースについて説明を受けました。今日はまず初日なので市街地から近い観光地を重点的に回るとのこと。大陵苑(テヌンウォン)から出発して瞻星台(チョムソンデ)、鶏林(ケリム)、半月城(パヌォルソン)、雁鴨池(アナッチ)、国立慶州博物館(クンニッキョンジュパンムルガン)へと抜けるコース。これらはほとんど隣接しているため、一度にぐるっと見て回れます。歩いても回れますが、多少距離もあるので自転車が威力を発揮するコースです。

慶州駅→大陵苑(天馬塚)→瞻星台→鶏林→半月城(石氷庫)→雁鴨池→国立慶州博物館
<大陵苑(天馬塚)>
慶州一大きな古墳公園。約12万5400坪という広大な敷地に23基の古墳が並ぶ。古墳の内部構造を見ることができる天馬塚、味鄒王陵、皇南大塚などが見所。
<瞻星台>
東洋一古い新羅時代の天文台。国宝第31号にも指定されている。
<鶏林>
王家の誕生伝説にまつわる小さな森。鶏林の伝説を刻んだ碑、新羅第17代国王、奈勿王の墓などが見所。
<半月城(石氷庫)>
新羅時代の王城跡。石氷庫という朝鮮時代に作られた天然の冷蔵庫が残る。
<雁鴨池>
新羅の王侯貴族が船を浮かべて遊んだ池。半島統一を祝して造られた宮殿跡でもある。
<国立慶州博物館>
古墳からの出土品や仏教美術などを集めた博物館。考古館、仏教美術館、雁鴨池館、特別展示館のほかに屋外展示も数多くある。
09:00 慶州駅をスタート
慶州駅からまず向かうのは大陵苑。大陵苑の入口は大通りとは反対の方向にあり、慶州駅からだと1キロ強の距離になります。歩くと20分程度かかりますが、自転車だとのんびり行っても10分しかかかりません。早くも自転車のパワーを発揮です。
09:10 大陵苑到着(大陵苑を見学)
大陵苑に到着しました。主要観光地にはたいてい駐輪場が備え付けてあります。自転車を置いて、鍵もしっかりかけて。
しっかりといっても、こんなに力を込める必要はないんですけどね。ともかく鍵をかけるのは忘れずに。
チケットを買って中に入ります。料金は大人1500ウォン。味鄒王陵、皇南大塚、そして天馬塚。この天馬塚は中に入って見学することができます。天馬塚から出土したという金冠が展示されていましたが、これは精密に作られた展示用のレプリカだそうです。なるほどうむうむと感心して見ていただけにレプリカと聞いてがっくり。本物は国立慶州博物館にあるそうです。
09:40 大陵苑出発
大陵苑を出て瞻星台へ。大陵苑入口前の駐車場を抜けて道路を渡ります。後は道なりにいくとほどなく瞻星台に到着。瞻星台、鶏林、半月城一帯は観光用の馬車が運行しています。
09:45 瞻星台到着(瞻星台見学)
5分足らずで瞻星台到着。300ウォン払って入場します。瞻星台とは新羅時代に作られた東洋最古の天文台。この上にのぼって星を眺めたそうです。
09:55 瞻星台出発
瞻星台以外に特に見るものもないのですぐに次の目的地に移動。次の目的地鶏林に行こうとしたら……。敷地の外からも瞻星台は見られることを発見。これじゃ300ウォン払って中に入る必要ないじゃない。慶州ナビは「いや、国宝を間近で見られることに300ウォンの価値があるのだ」と言っていましたが……。うーむ。
09:57 鶏林到着(鶏林見学)
瞻星台から鶏林は目と鼻の先。あっという間に到着しました。鶏林も料金は300ウォンです。ここは新羅王家の誕生伝説が残る場所。入ってすぐのところにある建物には伝説を刻んだ碑が奉られています。とりあえず写真をパチリ。奥に行くと奈勿(ネムル)王という人の古墳がありました。
10:13 鶏林出発
鶏林を出てすぐ右に半月城の入口があります。自転車を入口に止めて中に入りました。
10:14 半月城到着(半月城見学)
広々とした野原を歩いていくと、石氷庫(ソッピンゴ)を発見。おおっ、これが話に聞いた石氷庫ですか。石氷庫とは朝鮮時代に使われた氷の貯蔵庫のこと。また氷の上で肉を保存するなど冷蔵庫としても使われていました。まだ冷蔵庫も冷凍庫もない時代。この石氷庫のおかげで宮廷では夏も氷を浮かべた飲物を飲んでいたそうです。食文化に興味のあるK・F・C。この場所はちょっと感動的でした。
石氷庫のそばでアイスクリームを売っていました。天然冷蔵庫の石氷庫を見ながらアイスクリームを食べる。これはなかなかオツなものではないでしょうか。アイスクリームひとつ1000ウォン。ニコニコで食べていたら……。アイス落っことしました。まるで漫画のようです。とほほ。K・F・C思わず泣きが入りました。
10:40 半月城出発
気分は限りなくブルー。思わずお家に帰りたくなっちゃいましたが、それでも次の目的地に行かなければなりません。石氷庫近くの階段を下りると次の目的地である雁鴨池の目の前に出るのですが、鶏林側の入口に自転車を置いてきたのでそちらに戻ります。再び瞻星台の前を通り国道に沿って雁鴨池へ。この道路は見通しもよくまっすぐなため、車はけっこうなスピードで飛ばしています。自転車の運転にはくれぐれもご注意を。
10:50 雁鴨池到着(雁鴨池見学)
雁鴨池に到着。入場料は1000ウォンです。ここは新羅の王族が舟遊びをしたという美しい池。仙人の住む場所をイメージして作られたという雁鴨池はさすがに美しい眺めです。絵になる場所に来たので、思わずポーズをつけて写真を撮ってみたりなんかして。うーん。バカです。
11:30 雁鴨池出発
11:35 国立慶州博物館到着(博物館見学)
雁鴨池を出て国立慶州博物館へ。今日最後の目的地に到着です。自転車を止めて博物館のチケット売場に向かったのですが……。な、な、なんたる幸運! 毎月第1日曜日は無料で観覧できるのです。今日がまさにその第1日曜日。喜びのあまり看板を抱え上げて高笑いしてしまいました。通常は大人400ウォンです。
入口を抜けてすぐ目に入るのがエミレの鐘(聖徳大王神鐘)。エミレというのはお母さんという意味だそうです。この鐘をつくる際に女の子を人柱として溶けた銅の中に投げ込んだといわれ、鐘をつくと「エミレ(お母さん)」と音が響いたという伝説が残っています。
国立慶州博物館は大きく4つの建物に分けられています。考古館、仏教美術室、雁鴨池館、特別展示館。考古館には今日最初に訪れた天馬塚の金冠が展示されていました。今度こそ正真正銘の本物。むむむ、やはりどこか輝きが違うような……。天馬塚で見られなかった分、実にありがたい気持ちで金冠を拝むことができました。その後、隣の雁鴨池館に行って雁鴨池から出土した遺物を見学。残念ながら博物館内部はすべて写真撮影厳禁とのこと。お見せできないのが残念です。

12:35 自転車観光終了
博物館見学を終えて、今日のコースは終了。自転車を効率的に利用して6ヶ所の観光スポットを3時間半で回りました。今日のハイライトはやはり国立慶州博物館。天馬塚や雁鴨池などそれまで見てきた場所の宝物がすべて博物館にて見られます。この冠があの場所に埋まっていたんだなあ、と連結させてイメージすることができました。
自転車観光を終えて大陵苑そばのサンパプ通りでやっと食事。サンパプとはいろいろな葉野菜で包んで食べる料理のこと。テーブルいっぱいに料理が並ぶ迫力の料理です。自転車の移動で体力を消耗し、アイスクリームも食べ逃したのでお腹はグーグーでした。たくさん食べてK・F・Cも大満足。昼食後、自転車を返して今日のスケジュールは本当に終了。お疲れさまでした。

慶州エリアおすすめ観光コース第1弾。いかがでしたでしょうか。慶州エリアの観光地にはバスで行きにくい場所もけっこうあります。効率的にたくさんの場所を回りたい場合は自転車が力を発揮するでしょう。第2弾はバスを効果的に使った観光コースを紹介する予定です。お楽しみに。以上、K・F・Cでした。
関連タグ:八田靖史

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-11-15

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